筆 塗 り
メ タ リ ッ ク

〜 実 験 結 果 レ ポ ー ト 〜


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はじめに
今回の「筆塗りメタリック」はAUXO氏のホームページの掲示板でブー蔵氏が「メタリック塗装をするにはエアブラシで無いと駄目か?」という意味合いの質問が有ったときに、私のほうからレスをつけて「筆塗りでも可能である」と豪語したことに始まります。やったことの無い物を出来ると公言してしまったので、機会を作って実験してみることとなりました。

準 備
準備といっても大した物が必要なわけではありません。
普通に手に入る物で十分です。
ここでは塗装の実験なので表面処理は終わっている物とします。
塗る面積によって違うが、やや大きめの平筆を用意しよう。
今回は幅6mmのものを使用した。
塗料&溶剤 下地をラッカー、上塗りをアクリルorエナメルと思っていたが、
全部ラッカーで実験してみた。
必要なのはシルバー(8)クリアー(46)(スプレー缶が望ましい)
好みの色付きクリアーカラー各色。
いずれもMrカラーを使用。
塗料皿
or
調合ビン
混色した塗料を保管するのにも使うし、塗るときの濃度調整用
としても使用する。
耐水ペーパー #1000〜#2000位のもの。
練習用キット 試し塗りをする時に使う。他のキットの余りのパーツで良い。
プラ板でも良いが、塗料の流れ込み具合や雰囲気を見るなら
パーツの方がいい。
実験−1  ブラシ塗装(比較用)
さてここからが本番。
エアブラシ使用 今回用意した練習用キットは1/144サザビーの肩アーマー。
まずは普通のメタリック塗装、エアブラシでメタリック塗装を
施してみましょう。右の写真がそれです。
少々色の乗せ方が薄いですが、ムラ無く仕上がったと思います。
塗料はクリアーレッド50%+クリアーオレンジ50%+クリアー100%、これをエアブラシ濃度にシンナーで薄めて使用。
3回ほど塗り重ねてあります。
これを筆塗りで目指してみましょう。
実験−2  ブ ラ シ + 筆
ブラシ+筆 まずは下地塗装のシルバーとその上に掛ける無色のクリアーまでをエアブラシでやってみた。
これは缶スプレーの代わりに使用した。(缶スプレーが無かった為)
缶スプレーを使えばエアブラシが無くても十分に作業できる。
そして十分に乾燥させてから(約半日以上)上掛けの色着きクリアーを筆で塗ってみる。
塗料は普通の筆塗りより若干薄めにシンナーで薄める。
この辺は筆跡が残らないように各自研究されたい。
今回は塗料とシンナーを半分づつくらいの感覚で混ぜてみたが、これは元の塗料の状態などにも影響されますので注意が必要です。
この塗料を2時間置き位に5〜7回ほど塗り重ねます。
本来なら半日以上置きたいところですが、今回は時間の関係で2時間を目安に作業しました。
塗膜は厚ぼったくなりましたが、下地塗料を犯す事も無く透明感も確保できています。
しかし、パーツの凹んでいるところや逆エッジのところに塗料が残って濃くなって、逆にエッジ付近は塗料の乗りが悪く、薄くなっています。
これは筆で塗るために塗料を薄めた事と、クリアー塗料の乾燥の遅さから来る結果で、ある程度はしょうがないということでしょうか。
対応策としてはエッジ方向を下にして乾燥させるとか。
この辺が難しいところですね。
この後全体を1500〜2000番の耐水ペーパーで水研ぎして、仕上げにトップコートツヤありを吹いて終了になりますが、今回はそこまでやっていません。
実験−3  筆塗りメタリック
エアブラシ使用 今度は下地のシルバーを筆塗りでやってみた。
それ以外は実験2と同じく銀の後のクリアーはスプレーを使用しています。
クリアーを筆で塗った実験もしましたが、下地の銀が溶け出してきてしまい、プラスチックの表面が出てきてしまったために失敗に終わりました。
これは銀が他の塗料より塗膜が弱いからです。
それでクリアーをスプレーして上掛けを筆で行ったのですが、結果は見ての通りで、下地に置いたシルバーのムラがそのまま出てきてしまっています。
対応策はシルバーを塗った後に耐水ペーパーで水研ぎして表面をならしておき、その上でクリアーをスプレーしてやれば解決できるかと思いますが、写真のパーツのようにバーニア付近が入り組んだ場所だとペーパーがけも大変な作業になりそうです。
この写真の物は上掛けの色付きクリアーを塗った後に、筆ムラを消す意味で1500番のペーパーで水研ぎし、クリアーをスプレーしています。
スプレーはトップコートでもOK。
注意点としては、ペーパーを掛けるときにエッジ部分にはあまり掛けないようにすること。
ただでさえエッジ部分は塗料の乗りが悪いので薄くなっており、ペーパーを掛けると銀が出てきてしまうのです。
逆にムラになって濃くなっている部分は凹凸が無くなるくらいに磨いてやりましょう。
出来れば筆塗り1回毎に行えばより綺麗な面が作れることでしょう。
結   論
根気とやる気次第では綺麗なメタリック塗装は可能である。
あとは塗料濃度と乾燥後の水研ぎを徹底すれば良いということですね。
部分的な使用に向いてるかもしれません。
やってみて思ったのはエアブラシ並みの綺麗さを求めなければ意外に簡単である、ということ。
どんな技術も実験してみれば大した事無い物かもしれません。
これを読んで「自分にも出来そうだ」という方はぜひやってみてください。
意外なほど簡単に、意外なほど良い物が出来あがるかと思います。


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