電撃HOBBYマガジン
  1999年8月号

  P48〜P51掲載

  1/144 SCALE
  PLASTIC KIT
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ガンダム
With
ガンダムハンマー

制作記事改訂版


はじめに 初めてこの記事を見る人も居るかと思いますがこの製作文は電撃HOBBYマガジン誌1999年8月号の記 事を詳しく書き直したものです。写真が撮れ次第随時更新して行く予定では有りますが、現在は写真を載 せる事が出来ないのが残念ではあります。キット片手に読み進めていただけるとある程度解るかと思いま す。また、本誌をお持ちの方はそちらの写真と併せてご覧ください。
準備編 さて、発表以来各所で注目の∀ガンダムですが6話で登場したガンダムハンマーが再び話題を呼びました 。遺跡と化した∀ガンダム用の整備システム内に残されていた唯一の使える武装だったのですが……ハン マーを振り回すシーンに一本取られた思いでした。この作例はこの時のシーンを再現できるように、それ でいて可動にもこだわってみました。キットはプロポーションが良いので、それを生かして可動部分の見 直しと各部ディテールアップを行います。当時は資料も少なく、ハンマーにいたっては全くの資料無し状 態でした。編集部より活躍シーンをプリントした物を貰い、友人の北上信也君(仮名)にビデオを貸して もらいました。キットを編集部から送って貰うことになっていたのですが自分の手元にも仮組みしたもの があったのでそれを使って制作開始です。
【頭部】 顔の部分を髭、口、目鼻の3つに分割します。これは改造をしやすくする為。髭を薄く削りますが表から 削ると曲面が変わってしまう可能性があるので、裏から削ります。鼻から目の縁までを設定に準じて改造 。キットでは目が五角になっていますが六角が正解な様なのでついでに直します。頭と一体化していると さかを切り離し、プラ板でケタを作りました。ちょんまげは本誌1999年6月号の小林とおる氏の作例同様 への字に削ります。ほほの下にプラ板を貼り足して後頭部からの丸いラインをつなげました。
【胴体】 首は設定ではリング状のパーツなのですが、キットはポリパーツで首が再現されています。ポリパーツは 今までの物と同じなのでリング状の首を再現する為、バーニアの輪切りを頭部側と胴体側に接着しWAV EのBジョイントで接続しました。バーニアはF91シリーズのGキャノンのキットから持ってきました が段差が付いてて良い感じです。もちろん径が合えばどんなパーツでも良いです。胸前面パーツと本体の つなぎ目の脇腹の所に段差が出来るのでプラ板で滑らかにつなぎます。胸の丸一モールドは縦長になって しまっているので丸く穴を開けて裏からコトブキヤのマイナスモールドを貼って作り直しました。腰のコ クピット筒下部にバーニアの輪切りでディテールを追加。フロントアーマーは軸を切り離し、プラパイプ でストッパーを作って独立可動にします。アーマーを裏から薄くし、取り付け穴を前方に1mm広げてや ると可動範囲が広がってポーズが取り易くなります。サイドアーマーはエッジを落としました。アーマー 類は腰の円柱から生えている設定なのでポリキャップ取り付け部に段差を付けてそれらしく見せています 。
【椀部】 背中と一体の肩甲骨は切り離し、胴体にかぶさる三角の部分に真鍮線で軸を作って可動させます。6話の 時点ではビームサーベルは付いてないので基部を削り取りました。肩アーマーは胴体との接続部分を切り 取り、ガンダムMk−IIと同様のヒンジを制作。TVでは肩の後ろにもう一枚装甲が有るようにも見えた のでプラ板で再現しましたが、今となってはキットのままで良かったのかも……。肘関節は球体の様なの でLジョイント3を使っています。横が平らになっているように見えたので削って有ります。肘関節の接 続は上腕、下腕共に5mmプラパイプを接着しています。下腕側はプラパイプが見えてしまうので8mm パイプをかぶせて見栄えをよくしています。手首の筒状のパーツは武器セットに入っているザクバズーカ の一番太い所を使用しました。8mmプラパイプを使っても良いでしょう。手首は左手をFハンド角に甲 を新造、中指、薬指、小指が一体なのでそれぞれ切り離しています。右手はハンマーを変な風に(?)握 っているのでポリパテから削り出します。
【脚部】 膝が2重関節なのですがすね側は可動が殺されているのでこれを動かしてみます。腿裏のベーンパーツか らひざの軸部を切り離して塗装後に接着出来るようにします。すね側の軸を切り取り膝のポリパーツに通 してから両端にプラ板を貼り、塗装後にすね側へ接着します。すねから膝アーマーを切り離しポリパーツ へ取り付けます。ポリパーツの中心に1mmの穴を開けて真鍮線を通し、膝アーマーで左右から接続。膝 アーマーを後ろへ1.5mm延長して可動範囲を確保しました。また、膝を動かすとすね側に隙間が空い てしまうのでポリパテで塞いでいます。すねの両脇にある排気口は開口してエバーグリーンのプラ板を貼 ってディテールアップ。すねのベーンは後はめが出来るようにします。すね側に2本の2mmプラ棒を横 に貼り、ベーン側を切り欠いて引っかけるように後はめにします。足首は2重関節化しますが、足首側の ボールに肉抜き用の穴が開いているのを発見。これがBジョイントの軸とぴったりなのでそのまま使用し てみました。
【ハンマー】 旧ガンダムの武器セットより使用します。貼り付ける方のトゲの高さが少し足りないのでトゲに 0.5mm プラ板を貼って高さを増します。鎖は東急ハンズで売っているアクセサリー用の物。キットの鉄球側の取 り付け穴を3mmに広げて鎖を通し、真鍮線をストッパーにして固定。バーニアの輪切りで鎖の基部を作 ります。持ち手側は鎖の先に細い銅線を長めに2巻きしてキットのパーツで挟んで固定します。今回は特 撮用に鎖の伸びた状態のものも作りました。伸びた鎖は 0.5mmのピアノ線に貼り付けて補強。ポーズを 付けて持たせるときにお勧めです。
【ディテール】 各所に入っているスジボリは段差だろうと言う解釈をしました。各スジボリの片側をスジボリの深さまで 削ります。これで途中で消えてるスジボリも説明が付くでしょう。この時点では足裏のベーンには、まだ 石像だった頃のなごりが詰まっているという事なのそれを再現します。コルクの小片を貼り付けて隙間を ポリパテで埋めてやりますが、この時完全に埋めずに少し隙間を残してやると良いアクセントになります 。作例でもちょっとやりすぎていますね。もう少しベーンの露出を多くしてやった方がいいでしょう。
【塗装】 ナノスキン装甲ということで悩んだ挙げ句、白い部分にパール塗装を施してみました。
白=スーパーホワイトの上にクリアー+ホワイトパール
青=キャラクターブルー90%+白10%
赤=キャラクターレッド100%
黄=黄燈色90%+白10%
岩=ミッドナイトブルーに白を混ぜてドライブラシ
ベーン=メタルコート・アイアンで磨き
おわり デザインの好き嫌いが激しいので見ていない人も居るかもしれませんが、ぜひこの6話まででも見てみる ことをお勧めします。ターンAは動いてこそのデザインですので。

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